映画【ディス/コネクト】の感想‐SNSのイジメは立派な犯罪であるということ
公開日:
:
最終更新日:2015/08/17
ドラマ ハラハラ・ドキドキしたい, 学びたい
作品情報
監督 | ヘンリー=アレックス・ルビン |
脚本 | アンドリュー・スターン |
製作 | ウィリアム・ホーバーグ、 ミッキー・リデル ジェニファー・モンロー |
製作総指揮 | マーク・フォースター、ブラッド・シンプソン |
撮影 | ケン・セング |
編集 | リー・パーシー、ケヴィン・テント |
音楽 | マックス・リヒター |
出演 | ジェイソン・ベイトマン ホープ・デイヴィス フランク・グリロ ポーラ・パットン アンドレア・ライズブロー アレキサンダー・スカルスガルド マックス・シエリオット コリン・フォード ジョナ・ボボ ヘイリー・ラム マーク・ジェイコブス |
あらすじ
SNS上で起きた嫌がらせが原因で自殺未遂を起こし意識不明になった少年とその父親、嫌がらせの首謀者の少年とその父親、そしてネット上で個人情報を盗まれ、銀行口座から預金をすべて盗まれた夫婦─つながりを求めてインターネット上をさまよう3組の家族が、心の隙間を埋めていく事で人間らしさを取り戻していく…。ネット社会に生きる人たちに贈る、サスペンスに満ちたエキサイティングなヒューマンドラマ。
こんにちは!オーサムです。
今回ご紹介する映画『ディス/コネクト』は、SNSの様々な危険性とSNSに依存する子供と親子の関係をテーマに、「SNSの一体なにが危険であるのか?」、「SNSに依存する人々はどのような傾向(原因)にあるのか?」など、SNSがもたらす脅威と家族との絆について改めて考えさせられる、そんな作品になります。
いや~ぁ、久々にいい掘り出し物に出会いました。
こちらの作品は2012年にアメリカで制作されたらしいのですが、iTunesで配信されていて目を引くパッケージだったので、どんな内容なのか知りたいと思って予告編を観ちゃいました。
するとですね、これがまた体の全身がジーンとするほどの予告映像だったんです。
私は、予告映像だけでもグッと引き込まれてしまいましたよ。
気が付けば2時間があっという間!物語に引き込まれてしまうそのわけとは!?
次に本作を観たあとの感想といいますか、『ディス/コネクト』にあまりにも夢中になりすぎて時間を忘れていたので作品の振り返りも兼ねて、「どうしてこうもあっさりと引き込まれてしまったのか?」、他の映画にはない本作の素晴らしさを解説していきたいと思います。
本作を観てて、ずっと退屈しなかったのには理由があります。
その理由は本作に含まれている3つの物語です。
まず1つ目はSNSによるイジメで、自殺に追い込まれる少年の家族と加害者家族の物語。
2つ目はアダルトチャットで稼ぐ少年と、彼を取材する女性リポーターによる物語。
3つ目はチャットで個人情報を盗まれ、破産寸前になる夫婦による物語。
この3つの物語が様々な場面で切り替わり同時進行するのですが、「繋がり」をテーマにした映画だからどこかで物語は繋がるのであろうと期待していたのですが、結果何も繋がらず・・・。
物語が繋がらなったから残念だったという気持ちはまったくなく、むしろそれぞれの物語で社会問題を取り扱っていたので、色んなパターンが観れたお陰もあってあっという間の2時間でした。
それに3つの物語を2時間の間で上手い具合に詰め込まれていて、ストーリーもテンポよく進んでいたのも本作に引き込まれた原因なのかもしれませんね。
このテンポのよさには、監督ヘンリー=アレックス・ルビンに脱帽としかいいようがありません。
今や社会問題にまで発展しているSNSを使った犯罪!
現代若い世代に限らず、毎日使われ生活の一部になっているSNSですが、そのSNSが原因で社会問題に発展することも珍しくありません。
実際日本でもSNSを使う若い世代の間では、イジメが原因で自殺にまで追い込まれてしまったという事件はあとを絶ちません。
どうしてこのような事態に陥ってしまうのか、その原因はイジメる側とイジメられる側の安易な気持ちから生まれてくるものだと思います。
イジメのほとんどは些細なことが切っ掛けで起きるものですが、本作でも物静かで根暗な感じの15歳の少年ベン(ジョナ・ボボ)が、ただ”目が合った”というだけでやんちゃな少年2人のジェイソン(コリン・フォード)とカイル(マックス・シエリオット)から目をつけられてしまいます。
イジメる彼らにとっては、イジメる動機が”気に食わなかった”というだけですから、人間とはホントに怖い存在だと感じます。
それにもうひとつ怖いものはSNSです。
SNSさえあれば身近な友達だけでなく、好きになった人や尊敬している人、それに普段は絶対に関われない人たちと簡単に繋がることができます。
それにメッセージを送ってコミュニケーションを取ることも可能ですから、昔と比べて人との距離が身近に感じられるようになります。
しかし問題なのは、その人との身近さであったり、コミュニケーションを交わすことで親近感を抱き、あたかも自分自身に興味をもってもらったという錯覚に陥ってしまうことです。
作中の話ではベンが趣味の一環で作曲をしていて、出来上がった作品をSNS上にアップしているのを利用して、そこから話題に触れてから彼に接近するという手法。
その後も何度か会話を交わしながら、お互いの家庭環境について同じ境遇のように思わせれば、たちまち相手は心を許してまうのです。
その心理を利用して、自殺まで追い込む行為は立派な犯罪です。
たとえ未成年であっても・・・。
この問題は大変許しがたい行為であると、改めて深く考えさせられた貴重な作品の一つでした。
最後に・・・
このような犯罪が若い世代の間で日常茶飯事に起きている今、必要なのは家族との”絆”です。
子供を持つ親は、子供に対してこれはダメ!あれはダメ!と頭ごなしにいっても、家族間の溝は深まるばかりです。
もっと自分の子供とコミュニケーションを図って、理解してあげるべきだと思います。
コミュニケーションといってもそんなに難しく考えず、「今日は学校どうだった?」、「最近は何して遊んでいるんだ?」、「休みの日に○○へ行くけど、一緒に来るか?」など、ホント些細なことでいいのです。
毎日子供と話す時間を設けて「何に興味があるのか?、何をしたいのか?、何が好きなのか?」、子供の身の回りで起きていることを知るところからはじめることが大切です。
本作はSNSの危険性だとか、チャット犯罪やインターネットの脅威なども含めて、身近に起きてしまう問題かだから気をつけてましょうというメッセージのほかにも、家族や夫婦との”絆”の大切さを教えてくれます。
「最近家族と話をしていない、夫婦間であまり会話を交わしていない」という方に、ぜひ本作を観てほしいと思います。
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